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【特集】おすすめ!赤城の地酒 

グルメ, 特集 2014.02.25(火)

山紫水明の地に名酒あり。赤城山はまさに、そうした土地、名酒の産地でもあります。
酒造りにとって大切なものの一つが水です。 実は赤城南麓の前橋市の水道水は、赤城山の伏流水で、水源の井戸水はペットボトルで販売されているほどの名水です。
ここでは、そんなおいしい水に恵まれた赤城山山麓にある、日本酒の蔵元4軒をご紹介します。(赤城山の東麓から西麓の順で紹介)
どの酒蔵も、赤城山地域の風土を活かした特色ある日本酒を製造しています。これを機にぜひ名酒を味わっていただき、赤城山地域の魅力を、「味覚」の面で再発見していただければと思います。

■近藤酒造 ~赤城の名前を冠した辛口の酒~(みどり市大間々町大間々)

近藤酒造 近藤酒造は、かつての銅街道(現在の国道122号沿い)に開けた宿場町、大間々の中心にあります。銅(あかがね)街道は、足尾銅山で採掘され精錬された銅を江戸に運ぶために使われた街道で、日光への裏街道ともなっていました。

「赤城山」--水質を巧みに生かした端麗・辛口

近藤酒造の創業は、明治8年。創業時から、赤城という名前を冠した酒を造り続けてきました。創業時の「赤城」から、「赤城正宗」へ、そして現在の「赤城山」へと、赤城山の東麓において、赤城山に見守られながら酒造りを続けてきました。
赤城山
近藤酒造を代表する銘柄といえば、「赤城山」。キャッチフレーズは、”辛口の男の酒”。赤城山からの伏流水の井戸の水を使用しています。
意外なのは、最初から辛口を目指していたわけではないそうです。群馬県の水は、カルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量が少ない軟水が多いのですが、こちらの水はそうした中でも比較的硬いため、甘い酒を目指しても、どうしても辛口の酒になってしまうそうです。これを逆手にとって、辛口を特色とした酒造りを追求した結果、広く受け入れられるようになったんだそうです。

取締役社長の近藤新一郎氏は、『「赤城山」は辛口。だから、日本料理はもちろん、肉料理やピザなど、油こい料理にもよく合う。』とその特長を話してくれました。

「赤城山」は、「あかぎやま」それとも「あかぎさん」

「赤城山」の呼び方として、「あかぎやま」というのが一般的です。
さて、近藤酒造の「赤城山」は、どう読むのでしょうか。近藤酒造としては、とくに決めているわけではないそうですが、どちらかといえば、「あかぎさん」という呼び方を耳にすることが多いそうです。ちなみに、むかし、ラベルなどにローマ字表記をしていた時は、「AKAGISAN」だったそうですので、やはり、山の名前「あかぎやま」と、それにちなむ製品名を区別するため、「あかぎさん」というのが自然なのかもしれせん。

*近藤酒造ウェブサイト

■柳澤酒造 ~新時代に続く酒造りの夢とこころ~(前橋市粕川町深津)

柳澤酒造
赤城山は見る方向によって色々な姿が楽しめます。前橋の人は前橋からの赤城山がきれいだと思い、桐生の人は桐生からの赤城山が最高と言うように、自分の見慣れた赤城山が一番と思っているようです。こうした中でも、ここ前橋市粕川地区あたりからの赤城山は、裾野が長く、また、赤城山の峰がすべてよく見えるということは多くの人が感じているところです。柳澤酒造は、そんな赤城山の姿の美しい前橋市粕川町深津にあります。
柳澤酒造の創業は、明治10年。初代は、新潟県からこの地に杜氏としてやって来て、この地の水と環境が気に入り、創業したそうです。

「桂川」--こだわりの甘口の酒

柳澤酒造が誇る酒と言えば、「桂川」。桂川というと、京都の川を連想しますが、この酒の名前の由来は、蔵のすぐ西を流れる桂川によるものです。ちなみに、桂川という名前の一級河川は、ここの他に、京都の桂川、静岡の修善寺の3箇所しかない名前だそうです。そのため、専務取締役の柳澤清嗣氏は、『全国の品評会などに参加したとき、「桂川」の名前を見た他県の方から、京都の酒蔵ですか、と聞かれたこともある。』とのエピソードを紹介してくれました。

桂川 この酒のこだわりは、あくまで甘口ということだそうです。かつて、赤城山周辺は、養蚕業や麦作等が盛んな土地柄でした。そのため、田植えをはじめとする稲作だけでなく、桑の葉摘み、蚕の世話など養蚕の仕事、麦作の農作業、と多くの仕事を家族みんなでしていて、大変な重労働でした。それに加え、赤城山からの冷たい赤城おろしが吹きつけ、一層、疲れを感じる労働環境でした。そういう厳しい風土の中では、甘い酒が好まれるのは、自然のことで、「桂川」はまさに、赤城山の風土の中で生み出された地酒といえると思います。

この甘口を守るため、柳澤酒造では、もち米を使用しています。もち米は、普通の米に比べ、高コストであり、また、粘りがあるので、醸造作業もやりにくいようです。こうしたハンデにもかかわらず、甘口を出すため、あえてもち米を使い、お客さんの期待にこたえようとするところに、この「桂川」が愛される理由があると思います。

*柳澤酒造ウェブサイト

■町田酒造 ~厳選一筋を家法に守る伝統の味~(前橋市駒形町)

町田酒造 前橋市の南部、赤城山を遠くに望む駒形町の中心に町田酒造はあります。店舗は、十数年前、県道拡幅で改築されましたが、酒蔵らしい外観を現代的にアレンジした店舗は町並みにマッチしています。
町田酒造の創業は、明治16年。農産物の行商で長野県から来た初代町田卯三郎が、この土地の人柄と水の良さにひかれ、酒造りを始めたことにさかのぼります。農産物の行商から酒造へ、まったく畑違いの仕事をゼロから手がけたということで、創業のときは並々ならぬ苦労があったそうです。そして、現在は、5代目に当たる町田恵美さんと代表の夫・晶也氏が中心になって、その伝統を引きついでいます。

酒造りに適した利根川の伏流水

町田酒造のある前橋市駒形町は、前橋-伊勢崎間の街道沿いに発展した、江戸時代から続く歴史ある町。この駒形町には、最近まで、この町田酒造を含め3軒もの造り酒屋がありました(現在は他の2軒は廃業)。一つの地区に3軒もの造り酒屋があるというのは、全国でも非常に珍しいことで、いずれも、井戸によりくみ上げた利根川の伏流水を使用していました。このことからも、ここ駒形の伏流水が酒造りにいかに適しているかがわかります。

明瞭な酒:「清嘹」(せいりょう)

清りょう 町田酒造を代表する銘柄は、「清嘹」(せいりょう)。これは、初代卯三郎と親交があった漢学者により、明瞭な酒という意味で命名されたものです。命名のとき、酒は、口でいただくものであるとの思いから、「瞭」という字の偏を口の「嘹」という字にしました。
町田恵美氏は、『濃い味、淡泊な味、どのような食事にも合う飲みやすい酒を目指しています。』と酒造りへの思いを話してくれました。

*町田酒造ウェブサイト

■聖酒造~酒蔵見学も楽しめる伝統ある蔵元~(渋川市北橘町下箱田)

聖酒造 国道17号を前橋市街から北上し、北橘町に入ってすぐ、右手の高台に聖酒造はあります。すぐ近くには、「天然温泉ばんどうの湯」もあり、利根川や関東平野が一望できる見晴らしのよい場所です。

聖酒造の創業は、江戸時代末期の天保12年(1841)年。赤城山西南麓の自然水で酒造りを始め、以来170年以上、伝統の技と心を継承しています。現在の社名の聖酒造は、昭和34年に今井酒造から、同社製品の「聖」にちなみ変更したそうです。「聖」という漢字は、中国で清酒を「聖人」と称したことから、清酒の意味があり、酒作りの世界では、よく使用される文字のようです。

木曾三社神社と聖酒造とのつながり

聖酒造の前を通る県道下箱田岩上線を車で登り約5分、左手に木曾三社神社という神社があります。この神社は、上毛かるたで「ゆかりは古し貫前神社」とうたわれる貫前神社と同じく、鳥居から下ったところに社殿がある珍しい神社です。その歴史は、源頼朝・義経兄弟とは従兄弟(いとこ)にあたる木曾義仲が厚く敬っていた信濃国(現長野県)木曾地方の3つの神社を、12世紀はじめに義仲の家臣が勧請したという由緒あるものです。蔵元の今井家の先祖は、その家臣の一人であった今井四郎兼平にさかのぼるそうです。
毎年10月頃に行われる酒造安全祈願祭には、木曾三社神社の宮司さんも同席して行われているそうで、赤城の自然の恵みに感謝する思いが込められた酒であるといえます。

「関東の華」--由緒あるネーミングの酒

関東の華 聖酒造を代表する銘柄といえば、「関東の華」。名前の由来は、徳川家康が江戸時代の初め、重臣であった酒井氏に前橋城を与えたとき、関東の拠点として前橋が重要であるということを強調する意味で、「汝に関東の華をとらせる」と言ったとの故事に由来しています。
蔵元の今井家は、さきほど触れたとおり、木曾義仲の家臣であったという由緒ある家柄ですが、歴史は下り、酒井氏が前橋城主となったとき、今井家は酒井家に仕えたという歴史を持つそうですから、この今井家が作る酒として、ふさわしい由緒ある名前といえると思います。
代表取締役の今井健夫氏は、『きれのよい味が特色で、ほど程よい辛さと甘さを兼ね備えた味わいで、和食はもちろん洋食にも合うと思う。』とその特色を語ってくれました。

観光酒蔵としても人気

聖酒造売店 聖酒造では、酒蔵をもっと身近に感じてもらうため、「観光酒蔵」として公開しています。訪問者は、日本酒の貴重な醸造プロセスをたどり、見学することができます。見学後は、併設の売店で、製造されているさまざまな酒を飲み比べる、「きき酒」をした上で、気に入った酒を購入することができます。
観光バスにも対応する広い駐車場があり、バスツアーの立ち寄り先としても人気があります。関越自動車道渋川伊香保インターからも10分ほどとアクセスがよいので、伊香保や草津などへのツアーの途中に、群馬県の地酒を買い求めるお客さんでにぎわっています。

聖酒造MAP

*聖酒造ウェブサイト

■むすびに
今回、この特集を書くにあたり、各酒蔵を訪問させていただき、蔵元さんからお話をお伺いしました。どの酒蔵も、そこで作られる酒も、それぞれに貴重な歴史・エピソードがあり、赤城山地域の風土の中で生まれ、愛されてきた、まさに「地酒」であるという思いを強く持ちました。
ぜひ、ご紹介したエピソードを思い出しつつ、赤城の地酒を味わってください。より味わいが深いものになると思います。

【平成26年(2014)2月記す】

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